「モモーイ、初単行本。」(2007.3.22)

随分更新が遅れてしまいましたが、読み終わったエッセイ「アキハバLOVE」を紹介したいと思います!
著者は、最近当ブログでも取り上げました「はるこ☆UP DATE」の主役になりました、元祖アキバの女王、桃井はるこさんです。だからといって、オタク的なネタが満載と決めつけて、敬遠してはいけません!
実際、この本には彼女が今までに社会や人間に対して思ってきた様々な事を、自分を棚上げすることなく綴ってあります。食物アレルギーで嘗て自分が苛められていたことをテーマに、未だにアレルギーに対する一般認知のレヴェルが低いことを問題視したり、満員電車を降りるときに一言も言葉を発せず、他の人を自分の通勤・通学をじゃまするゴミのようにかき分けていく人を非難したりと、「ああ、毎日をしっかり生きているんだなあ」と自然に生きる元気が得られる本だと思います。
また、彼女が音楽グループ「UNDER17」を解散した本当の理由や、自分が美少女ゲームの主題歌を歌い続けていることについての雑感、学生時代のアキバでのアルバイト経験など、彼女のファンやちょっと濃い方々にも、満足していただけると思いますよ。
私は、この本を読みながら、「人間の幸せって何だろう?」と考えていました。出身大学、資格などの名声、すなわちステータスが重要視され、出世こそが人間の幸せであると考えられがちな現代日本の社会の中では、確かに彼女のような存在は異端でしょうが、こちら(オタク)側の世界でも同様に彼女は異端です。なぜなら、彼女のように幼い頃からの夢を実現できる人間はわずかだからです。オタクでありながら、そこで自己完結することなく、世界へ向けて心から伝えたいことを、メロディーに乗せて叫び続ける彼女の姿に私は強く惹かれます。
この「惹かれる」という感情は、「応援したくなる」と言い換えれば最適でしょう。Jリーグのサポーターに、サッカー選手は存在せず、プロ野球のファンに、野球選手は存在しません。ファンは、すなわちただの人、悪く言えば才能のない凡人です。しかし、彼らは一部の選ばれた「才能」を応援することは出来ます。彼らは自分たちの代表者として、「才能者」を見ています。応援しているとき、ファンと代表者は一つになっているのだと思います。ファンと代表者の唯一の共通項は、「みんなそれが大好き」という点です。「才能」はないが、とにかく好きな「自分」に、「才能」が加わっていたら、というIFの世界を、ファンはプロ選手の中に垣間見ているのではないでしょうか。おそらく、それが真の意味での「応援」という行為なのだと思います。
話をオタク諸兄に戻せば、彼らはモモーイを彼らの代表者としてみていることになります。私もその一人です。ですが、私はいつか彼女のように一人の人間として表現活動を行っていきたいと思っています。自らの存在は、自ら社会に訴えかけなければ、認識してもらえません。それがどのような方法・分野であろうとも、表現しなければ自らのアイデンティティは失われてしまうのです。このような社会による人間の「画一化・商品化」を私は良しとしません。ですから、個人はこれから一人一人自らの「表現」をしていかなくてはならないと思います。ブログというのは、その表現に最も適しているでしょう。反論・共感を得やすく、何より自分から発信するという点が重要です。国民総背番号制とかなんとかを推進するよりも、国民一人一人が自分で自分を売りに出す方がよっぽど救われる社会だと私は信じています。
そして、その表現行為で世の中の不特定多数が幸せになれたとしたら、どんなにか嬉しいでしょう。ここでとりあえず考えたことの結論を述べるなら、「人は誰かを幸せにするために生きている」ということになりましょう。我々は「才能者」に自らのIFの世界を見て、その人を応援し、またその人から生きる活力となる幸せを享受しているのだと考えます。
私は、応援する人にも、応援される人にもなりたい。ステータスは、そのステータス、すなわち職業によって人々が幸せを得られたとき初めて、尊敬に値する人間の「生きる意味」に変化するのだと思います。そんな意味のあるステータスを、表現活動を通じて追究したいと思いつつ、タイプをストップしたいと思います。

一言まとめ:

了見の狭い自分を意識しながらも、名声で取り繕おうと考える人に、この「アキハバLOVE」というナイフを捧げよう。

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