「99.9%は仮説、それも一つの仮説」(2006.8.20)

朝日新聞で宣伝されていた『99.9%は仮説』を読み終わりました。
う〜ん、全体として終始微妙でしたね。具体的に述べると、内容が大きく科学・数学・哲学に偏っている点が少し不満でした。筆者が繰り返し『科学は全て仮説だ!』と強く述べ、その根拠を次々に列挙している、というのが本書の正体です。
「飛行機が飛ぶ理由は分かっていないし、麻酔が効く理由も分かっていない。ただ『やってみたらうまくいったからOKじゃん』、それが科学なのだ。」これが筆者が言いたいことです。科学に関する部分は、非常に詳しく解説していますので、初心者にも分かり易いと思います。しかし、私には、なぜ科学が仮説の塊であることを認識することが、日常生活が仮説の塊であることの認識へつながるのか、イマイチよく分かりかねます。世の中を形成しているのは科学だから・・・という解答が返ってきそうですが、『日本経済』『靖国参拝』といった分野まで科学の範疇に入れるのは不可能だと思います。その点に関しては、少々論理の展開に無理があったと思います。
私の知り合いには、本書を『屁理屈の塊だ。読むに値しない』と切り捨てた人もいますが、私はそこまでつまらない本だとは思いません。日常を、相対的に見るための指南書だと思って読めばよいと思います。ただし、この本を書いたのは神などではなく、あくまでも一人の人間だということを忘れてはなりません。あくまでも個人の意見文であるということを忘れてはなりません。他人の文にそのまま便乗するのは愚かなことですからね。無論、私の文章に関しても全く同じ事が言えますよ。
価値ある時間つぶしをしたい方は、是非ご一読のほどを。アマゾンの酷評にめげずに!

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