「「ロリータ」を読もうと思っている貴方は是非」(2007.8.7)

書店巡回中にたまたま発見して、タイトル・表紙に恋に落ち、衝動的にカウンターへ。帰って夜読み始めて初めて知る真実。

こ れ は エ ロ い

あたかも清純なフランス文学ですよ、という顔をして、中身は「官能小説」の短編集でしたO(≧∇≦)O
しかしながら、決してただ延々とエロシーンだけが続いているという低俗なものではなくて、「清純少女・性への目覚めの瞬間」「やむを得ない性生活」といった繊細で美しい人間の本質に関わる問題を描き出しています。例えば、画家の夫を持った女の話。夫は妻の裸体を描きたい。しかし、妻は夫の前に裸体を曝すことを頑なに拒みます。そんな生活の中で妻は精神を病み、睡眠薬を服用しないと眠れなくなってしまいます。その上、その睡眠薬を飲むと妻は昼頃まで目覚めなくなってしまうのです。そこに目を付けた画家の夫は、眠っている妻を脱がし、裸体画を描くことにします。夫はそのような創作活動を続けるうち、見たことのない妻の優しい寝顔(自分の前ではキツイ目つき)に取り憑かれていきます。そしてとうとう夫は現実の妻への愛情が消失し、絵の中の妻と脳内で性交を行う(要するに自慰ですね)ようになり、それが発覚するやいなや、妻は夫を絵の中の「自分」から奪い返すために、夫の前に惜しげもなく裸体を曝し、夫を誘うようになりました。
自分の夫を浮気相手から取り返すために、「女」として性に目覚めていく妻の姿(しかもその相手は「絵の中の”自分”」です)を私はこの上なく滑稽で、且つ男を独占しようとする「女」本来の姿を体現した美しい人間だと感じました。
性生活をテーマにして、人間の心の中に潜む欲望や本質を抉り出している本書は、大変実存的(一部違うものもありますが)な小説であります。「私はどうあるべきか」という問いは生きていく上で(特に青年期に)重要だと私は思います。どんなテーマから入っても、ある一定の主張レヴェルに到達することが出来ると言うことを学べた気がします。

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